はじめまして。本日は、コトハナ新入りインターンの今野(こんの)がお送りします!
少しだけ自己紹介をさせていただきます。野菜や果物が大好きで、“農”についてもっと知りたい!関わりたい!という思いから、みんなのうえんにやってきました。好きな野菜はなすびです^^どうぞよろしくお願いいたします。
さてさて、北加賀屋みんなのうえんでは、無農薬有機栽培に挑戦しています。そこで今回は、無農薬有機栽培を実践するプロの皆さんからいろいろ学ばせて頂こうと、大阪の3つの農家さんのところにお邪魔してきました。
いつもお世話になっている「つたえびと」の佐野さんのアテンドでした!
大阪を中心に、無農薬有機栽培の野菜を販売している旅する八百屋さんです。
一件目は、完全無農薬で野菜や果樹を育てている、尾崎農園さん。こちらはなんと駅から歩いて10分もかからずに到着。こんなところに畑があるなんて!とびっくりしてしまうくらい、周りは普通の住宅街です。もともと水が豊かなこの地域には、昔は他にもたくさんの農家さんがいたそうです。しかし宅地開発の影響で、皆さん徐々に農業から離れ、今では尾崎さんがこの辺りで唯一の農家さんなんだとか。
ビニールハウスの中をのぞくと、ほうれん草やキャベツなど様々な野菜が勢揃い!一度収穫した後だというブロッコリーは、茎がすごく立派に育っています。きんぴらにしたらおいしいだろうなあ。
有機農業を全く知らない私は、無農薬では虫の被害も大変なのでは?と思っていましたが、尾崎さんの畑の野菜はどれもぴちぴちの美人さんで、美味しそう。夏の間は特に手間がかかってたいへんなんだとか・・・
それでも、安心して人参や大根の葉っぱも残らずまるごといただけるのは、無農薬の魅力ですね。
尾崎さんのお宅には、野菜畑だけでなくいろんな果物もたくさん実っています。ハウスの中には収穫した後のブドウの木が。ちょっとだけ余っていた実をいただくと、とってもあまくて美味しかったです。
そして畑の横にはなぜか卓球場が!みんなで卓球をしたりごはんを食べたり、さらには「社交ダンスなんかすることもあるんだよ~」と尾崎さん。畑の横の多目的空間、素敵です。
農園を回ったあとは、こちらでとれた柿やみかんをいただきました。さらに、干し柿にする前の、焼酎に漬けただけの渋柿も。一同その甘さにびっくり!一手間加えるだけでこんなに甘くなるなんて・・・
住宅街の中で長年農業を続けてきた尾崎さんご夫婦。お二人の温かいお人柄がそのまま形になったような、本当に素敵な農園でした。
二件目は、定年退職後にご夫婦で農業を始められたというなかよし農園さんへ。ほうれん草やイチゴ、キャベツなどたくさんの野菜たちは、みんな完全無農薬で育てられています。
奥さんが「これ食べてみて~」と渡してくれたかぶは、あまくて香りがよく、まるで梨かりんごのようでした。
畝と畝の間には、稲を収穫した後の籾殻が撒かれていました。雑草が生えてくるのを防ぐ工夫だそうです。
畑の周りには、悪くなった野菜や木の葉を利用したコンポストなどもありました。
使えるものは無駄にせず、きちんと再利用する。畑の所々に有機栽培の知恵と努力が垣間見えます。
そしてお二人共本当に優しくて、畑のあちこちで「これ持って帰り!」とネギや柚子を分けてくれました。帰る頃にはお土産がたくさん!
「形は悪いけど、安心して食べられるのが一番だから」と語って下さった笑顔が印象的でした。
3件目は、車で山の方へぐんぐん登り、飯坂農園さんへ。飯坂さんは、原木を使って椎茸の栽培をしていらっしゃいます。
一般に流通する椎茸の菌床栽培(きんしょうさいばい:おがくずや水、栄養剤を混ぜたブロックにしいたけ菌を接種させる方法)と比べると、原木栽培は手間も時間も倍以上かかります。その行程は木を伐採したり原木同士を組んだりととっても重労働。しかも天気にも影響を受けやすいため、安定生産が難しいとのこと…
どうしてそこまで大変な原木栽培にこだわるのですか?と聞くと、飯坂さんは収穫したての椎茸を味見させてくれました。椎茸を生で食べるのは初めてです。
おそるおそるかじってみると、椎茸の良い香りと甘みが口いっぱいに広がって、ものすごーく美味しい!市販の椎茸とはまるで別物です。
そう言うと、飯坂さんは本当に嬉しそうに「そうでしょう!」と笑いました。
その笑顔を見て、そうか、このために、飯坂さんは原木栽培にこだわり続けていらっしゃるのだなと感じました。
今回の農園訪問させていただいた三つの農家さんは、それぞれ農園の規模も育てているものも違います。ですが、
自然に近いやり方で、本当においしい野菜を作ること。
そのための手間は惜しまないこと。
この二つの思いは、皆さん共通して持っていらっしゃったように感じます。
消費者の側からはなかなか見えづらいですが、こうして信念を持って野菜を育てている農家さんの努力を知ることで、私たちの野菜の選び方も使い方も変わっていくように思います。
北加賀屋みんなのうえんでも、この日出会ったような農家さんたちの思いを共有しつつ、大切に野菜を育てていけたらいいなあと思いました。