この夏から日比谷花壇さんと取り組んできたひょうたんづくりが、先日大阪グランフロントで行われた「スノーマンフェスティバル」にて、ひとまずの晴れの舞台を迎えました。
このイベントでは、100個ほどの千成ひょうたんが、たくさんの子どもたちの手によって、クリスマスを彩るスノーマンへと姿を変えました。
ペットボトルキャップやカラフルなモールを使ってつくるスノーマンは、日比谷花壇のアイデア。
昔から様々な使い方をされ世界中で愛されてきたひょうたんの、新しい使い方ですね。
ひょうたん自体も形が様々で面白いのですが、こどもたちがつくるスノーマンはもっと個性にあふれていて楽しくなりました。
こどもたちは、ひょうたんがまさか北加賀屋の農園でつくられた植物だとはなかなか気づけないかもしれませんが、少しでも記憶に残って自然の力の素晴らしさに気づいてくれたらいいなあと思いました。
今回はせっかくの機会なので、夏からのひょうたんのあゆみをご紹介します!
[ 6月14日 ひょうたんの苗の植え付け ]
とうもろこしが元気に育ちはじめた暑い初夏に、第一農園に苗を植え付け。
この時は頼りない感じと、少し時期が遅れてしまったので、かなり心配でした。
[ 7月5日 少し大きくなってきた ]
なかなか大きくならなかったひょうたんも、この頃にはしっかり根付いて蔓もでてきました。順調!
[ 7月20日 急激に成長しすぎ ]
ちょっと目を離したすぎに、ありえないくらい伸びるひょうたん。
気づいたら隣のお家にまで蔓をのばしかけていて、ここからの手入れが大変でした!!
完全に成長エンジンが入ったのがこのころ。
[ 8月2日 花も咲いてきました ]
白いかわいい花が咲き始めました。
まだ実はついていない様子。ひょうたんは雌花と雄花が別なので、基本的には虫による自然受粉にお任せしていましたが、たまに手で受粉させてあげたりし出しました。
・・・ちょっと飛んで(この期間は剪定、受粉、剪定、受粉の繰り返し)
[10月9日 豊作だ!]
作ったもののうまく活用できていなかったパーゴラにも、ひょうたんの蔓が廻り、きもちいい緑の影ができました。
ひょうたんがぶら下がっている様子がとても可愛いです。
このからコナジラミがつきだし、水で洗い流すお世話も追加。とにかく蔓を伸ばす速度がはやくて、剪定間に合わない気味で、ご近所にご迷惑をおかけすることも。。
[ 10月31日 収穫 そして穴あけ ]
ついに収穫を迎えました!
夏の日差しから僕らを守ってくれた葉っぱもすっかり枯れてしまいました。
こうやって記事にして振り返ってみると、ほんと一瞬のことのようですね。
面白い風景です!
このころになると、通りがかるひとからも「かわいいね。」などと声をかけていただけることも増えてきて、ひょうたんはやっぱり万人の心に響く何かがあるなぁーと感心。
うまく表現できないんですけど、かわいいんですよね。
途中でとったものとか、磨いてみたものとか。
なぜかしぼんだもの。
とにかく豊作!
こんなにとれると思っておらず、僕らも日比谷花壇さんもびっくりしました。
収穫の後は、早速穴あけ作業です。
農園メンバーも集まり、日が暮れてからもひたすらドリルで穴をあけ、中身を針金でほぐしていきました。
そのほじくった穴に、この魔法の酵素「ひょうたんごっこ」を溶かしたぬるま湯を注ぐのです。
それで、中の繊維が分解され綺麗に中身を抜くことができます。
本来は水につけ自然発酵させるらしいのですが、その時にとてつもない異臭を放つらしく、
近所迷惑になると困るので、この魔法の粉に頼ることにしました。
ですが、体力の限界。この作業は次回に持ち越し。
[ 11月10日 酵素液注入 ]
またもや夜ですが、酵素液を穴に注入しました。
(本当は穴を開けてすぐに注入しないといけません。)
寒さでちゃんと発酵するか心配。
このころになると、「なんか気持ち悪い生きものに見える」という声もちらほら聞こえていました。
この後、ぬるま湯を追加しながら3,4日くらいかけて中身を発酵で溶かしていきます。
そして「溶けたな」と思ったら、たっぷりの水に残りの酵素液をいれて、2週間ほど浸け置きします。
今度は外側の薄皮をはがしていきます。
[ 11月26日 薄皮はがし ]
この段階になると、「スノーマンフェスに間に合うか・・」という緊張感が増し、漠然とした不安に襲われながらひょうたんをひたすら金たわしで磨いていました。
こんな感じでひょうたんがぬるっとします。
そしてさらにこのあと、アク抜きのために水を張ったバケツで、水を入れ替えながら1週間ほど浸け置きます。
臭いがある程度抜けたら、乾燥段階。
もうこの時期はとても寒かったので、乾くが心配でしたがギリギリ本番に間に合わせることができました。
というような形で、半年間に及ぶひょうたん栽培でしたが、いろいろと発見がありました。
ひょうたんのように形に残る作物は、作って終わりではなくてこれからいろんな展開ができるので、いろんな人をつなぐきっかけにできるなということも、その一つ。
スノーマンになっていないひょうたんが40個くらいあるので、その使い方はこれからみんなで考えていければと思います。